3月28日 イスカンダルへ。 (マレーシア先進事例調査)
皆さん、こんにちは。
今朝早く、マレーシア航空052便関空着で帰国しました。
突然ですが、イスカンダルと言うと私の世代は、アニメ宇宙戦艦ヤマトに出てくる惑星を思い浮かべますが、表題のイスカンダルは、マレーシアのジョホールバル一帯に巨大都市を建設しようという、マレーシア政府等が進める一大開発プロジェクト「イスカンダル計画」の事です。
本日は、この「イスカンダル計画」等の調査のため25日火曜日から2泊4日という強行軍で行われた自民党議員団海外先進事例調査のご報告を…
ということで調査先はマレーシア。
この調査計画は昨年からありましたが、実施直前にあのマレーシア航空の事案が発生。
本日現在までに様々な報道がされていますが、機体の状況について確実なものはなく、事故とも事件とも未だに判別していません。
こういった状況でのマレーシア航空搭乗でしたので、周りからは心配されつつ、私自身も若干の不安が。
しかし、事案発生後も同社定期便は普通に運航され、マレーシア国内も安定しており、行程等については、特に変更もされず実施されました。
ともあれ、出発直前でのこの事案発生、間接的にいろんな影響はありましたが…。
まずは、マレーシアについて簡単にご紹介を…
面積は約33万㎢で日本の約9割弱。13州からなる連邦国家に2,946万人が住んでおり、その内訳はマレー系67%・中国系25%・インド系7%の多民族国家です。
気候は高温多湿の熱帯雨林。ジョホールバル到着後空港から一歩外に出て最初に感じたのは、まさに日本の夏と同じ匂いでした。
通貨はリンギット。1リンギットは約33円。全般的に食べ物は安いように感じました。
マレーシアではこれまで消費税がなかったのですが、来年4月より6%の消費税が導入されるとのことでした。
それでは行程に沿って…
3月25日(火)
午前11時関空発のマレーシア航空053便でクアラルンプールへ。
クアラルンプール着は現地時間午後5時(日本時間午後6時)過ぎ。
空港で夕食(といっても、ファストフードですが)を取り、乗り継いでジョホールバルヘ。
国内線が時間より遅れ、ホテル着は午後9時(現地時間)頃となりました。
ホテルではNHKの国際放送を見ることができ、FBやネットを合わせ日本の情報収集には事欠きません。
しかし、テレビには若干の制約があるようです。
というわけで、25日はほぼ移動で終わりました。
3月26日(水)
朝、ホテル周辺を散歩。
公園では体操や散歩を楽しんでいる市民の姿が。気温も含め日本の夏の朝とよく似ていました。
午前8時過ぎにホテルを出発し、いざイスカンダルへ。
連邦政府とジョホール州が一体となって進めている都市建設計画『イスカンダル計画』は、2006年当時のアブドラ大統領が2025年までに人口300万人、1人当たりのGDPを31,100US$にするという目標の基にはじめられました。
マレーシア政府は、マスタープランの作成や政策・法整備、ブランド価値の確立、投資促進のための広報周知、ディベロッパーの調整等々、計画・広報・調整を責務とするイスカンダル地域開発庁(IRDA)を設置し当計画を強力に推進しています。
今調査の説明もIRDAの担当官(通訳は大使館の職員さん)にしていただきました。
イスカンダル開発計画では特に金融・観光・教育・物流・医療・クリエイティブのサービス業6分野、電気電子・油脂石油化学・食品農産物加工の製造業3分野を重点分野として、イスカンダル地域内を5つの地区に分け、それぞれの分野に特化した開発を計り投資の誘致を進めています。
投資促進のための優遇制度として、①5年間の法人税免税または5年間の投資税額控除 ②設備投資に係る輸入税・所得税の減税 ③外国人知識労働者の柔軟化 ④中央銀行による外国為替管理規則の柔軟化の4点を実施、これらの活用により当地域への投資累積額は順調に増加を続けており、2012年には1,000億リンギット(約3兆3千億)を超えているとのこと。
またマレーシア政府は交通網を整備するために、過去5年間でインフラ整備に90億リンギットを投じています。
訪問時もあちらこちらで様々な工事が進められており、ものすごいスピードで都市整備が進んでいることが実感できました。
シンガポールと橋2本でつながり、土地と人材が比較的安価に調達できることから、シンガポールと同一の経済圏として発展が期待される「イスカンダル」。
この地域を含め発展を続けるASEAN各国と我が県がどのように関わっていけるか、また首都機能移転、東京のバックアップ機能も含め多くを考える機会になりました。
所謂住宅展示場も視察させていただきましたが、プール付きの1戸建てウン千万円もする家を求めに1日100人も訪れるとのこと、びっくりです。
ジョホール州議会議事堂も見せていただきました。
マレーシアはイギリス連邦加盟国で連邦立憲君主制国家。13州の内9州にスルターンと呼ばれる王様がいます。因みにマレーシアの国王には、この9人が5年ごとの輪番で就任されるようです。さらに因みに、シンガポールもかつてはマレーシアの1つの州でした。
で、州議会議事堂には王様の玉座もありました。
夕方、再びクアラルンプールへ。
到着後、ホテル周辺を夕涼みがてら一人で散策。
ツインタワーがとても奇麗でした。
しかし、ホテルのシャワーは壊れているし、カードキーも反応が悪く部屋入れなくなることもしばしば。その度にフロントへ。
常夏の国らしく、対応もおおらかな国でした。
3月27日(木)
朝、恒例のホテル周辺散策。
出稼ぎ労働者やおまわりさん等々と市民交流。こういうのが結構面白い。
ツインタワーは、やはり夜の方がきれいでした。
9時過ぎにホテルを出発。
進出企業の視察ということで、イオンとNTTの現地法人を訪問。
イオンでは売り場も見せていただきましたが、やはり特徴的なのはハラル食品。
ハラル食品とは、イスラム教の律法にのっとった食べ物のこと。
【パック左下のマークがハラル認証マーク】
ミルクや魚、野菜や穀類のほか、イスラム教の作法に従って処理された牛肉や鶏肉などがそれにあたり、加工品にもハラル認証がついており、イスラム教徒の人々は、それ以外の方法で処理された肉や認証のない加工品等は口にされないそうです。
因みにアルコール類も宗教上禁止されており、ほとんど売ってません。
売り場には、中国系等イスラム教徒以外の人用にアルコール類もありますが、価格はかなり高めです。
我が県でもイスラム圏への神戸ビーフ輸出促進のため、先の臨時議会で可決された補正予算で『肉畜振興対策費』として4000万円をかけ、県内施設に「ハラルと畜」を行う専用設備整備支援を行います。
イスラム圏での食品売り場の現状等が非常によく理解出来ました。
因みにイスラムの女性は肌を出しませんので、売り場の水着もこんな感じです。
NTTは、サイバージャヤ(情報技術都市)という、クアラルンプール郊外のマルチメディア・スーパーコリドーと呼ばれる総合開発地域に含まれる新興都市に進出されています。
もともとパームヤシ畑一帯であったこの地域は、1999年以降集中的に開発がすすめられ、世界の名立たるハイテク関連企業の多くがここに投資しています。
世界からIT関連等の最先端企業を誘致するために、世界最高水準のITインフラを提供や投資・知識労働者の雇用等に関する規制緩和・優遇措置の実施、マルチメディア開発公社による進出企業へのワンストップサービスの提供等が実施されています。
これらに加え、NTT進出理由は、比較的安く安定した電力供給能力、台風・地震といった天災が少ない、賃金が安く英語が話せる豊富な労働資源、等々と小野副社長と武田製造担当者からの説明いただきました。
日本企業、がんばってます。
このサイバージャヤが民間商業開発のための新興都市であるのに対し、行政機能の移転を目指し開発されたのがプトラジャヤ(新行政都市)。こちらもクアラルンプール近郊で人口約7万人のほとんどが政府機関で働く職員とその家族とのこと。
【首相官邸(左)】
急速な経済成長と強い政府のもとで、強力に推し進められている都市開発。
日本列島改造論を思い出しますが、さて如何に。
この後、空港へ。
午後11時50分発のマレーシア航空052便で関空へ。
28日、本日6時50分、無事帰国いたしました。
急速な開発が進むマレーシア。朝の散歩のわずかな時間でも、その光と影の部分が見え隠れしました。
事務所には昼前に戻りました。
年度末、本日は退職転任のご挨拶に各方面から事務所にご挨拶に来ていただきました。
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