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活動報告ブログ - 2014年9月

2014年09月25日(木)

観光動態調査と政務活動費(調査費)

皆さん、こんにちは。

 台風第16号から変わった温帯低気圧の影響で、大雨が心配されましたが、当地においては、それほどの雨を降らすことなく通り過ぎてくれました。

 さて、本日のテレビ欄には、『徹底暴露 政務活動費問題SP!』とあります。
 録画して見せてもらいました。

 来春の統一地方選挙を意識した“編集”にある意味感心しました。
 それはさておき、放送の中で、「議員はどんな仕事をしているのか分からない?政務活動費が政策にどう反映されているのか分からない?」
 と、ありました。

 ちょうど本日、『平成25年度兵庫県観光動態調査結果』の速報値が公表されましたので、少し昔の話になりますが、この「観光動態調査」と「政務活動費(当時は調査費)」における私の例を紹介します。

 が、その前に 『平成25年度兵庫県観光動態調査結果』の速報値について、ごく簡単に・・・
・平成25年度に本県を訪れた観光入込客数は130,285千人となり、前年度(126,111千人)に比べ、4,174千人の増加。
・丹波地域への入込客数は4,419千人で前年度比▲4.7%と減少。
・竹田城跡は508千人で対前年度比+113.4%と倍増。 

 では、本題。
 私は議員になる前から観光協会の理事や副会長として、篠山の観光振興に携わっておりました。
 その頃から、公に発表される篠山の観光客数に疑問を持っておりました。
 「発表数ほどの観光客がホントに来てるのか?」という、現場の実感に基づく疑問です。

 で、発表数字の根拠を調べると、その数字の中には、「市民センターの利用者数」なども含まれていることが分かりました。
 観光行政の根本となる数字が実態とかけ離れたものであれば、そこへの施策、またその予算等については、効果的な執行ができるのか甚だ疑問です。
 そこで、当時(平成20年)、観光協会と関西学院大学総合政策部角野博幸研究室と共同で、「篠山市観光波及効果調査」を行いました。
 この調査以降、篠山の観光入込数値は、より実態に近いものとなりました。
 私は、この調査に関する費用を「政務調査費」で支出させてもらいました。
 

 で、この調査結果をもとに平成21年2月の第299回定例会で次のような質問をさせていただきました。

【(略)我が県においても、本年春より大型観光交流キャンペーン実施を初め、観光・ツーリズム振興に係る総合的施策の企画推進に当たっては、全庁挙げて取り組まれているものと思います。本県では、観光・ツーリズム政策の企画・立案に資するため、観光動態調査等を実施し、各地域におけるツーリストの動向を把握し、今後のツーリズム行政推進のための基礎資料とされております。

 本年1月5日の神戸新聞年頭社説に、篠山のまちづくり保存会の活動が紹介されております。その記事の一節に「篠山を訪れる観光客がふえ、年間300万人を超えるまでになった」とあります。観光動態調査発表数イコール観光客数だと誤解を招きがちな、この観光動態調査の危険性は、さきの決算特別委員会でも指摘したところでございます。毎年ほぼ同じ作業による調査でありますから、大枠のところで、数の変動、傾向等々の比較検討資料としては意義あるものだと思います。また、現状では当局側もその程度の参考資料としてのみの利用法だと思います。

 人口減少社会の地域戦略として観光振興を考えた場合、地域間競争とは人をいかに呼び込むか、すなわち誘致競争でもあります。私の地元、篠山市においても、入り込み人口の増加をめざすための観光資源の魅力アップの必要性が叫ばれるだけではなく、新規の観光資源を発掘することで、地元住民の生活環境の向上にもつなげようという動きが見られつつあります。

 そのような中、私自身も観光協会理事としてお世話になり、現在は顧問として籍を置き、現場とのつながりを持っておりますが、篠山市においては、先ほど述べたようなことを実現させていくためには大きな課題が存在しています。それは篠山市の観光政策において、特に入り込み客数、観光資源、観光行動などの正確な把握ができていないという課題です。このことは、観光協会みずからの反省も含め、協会理事の共通した認識と言っても過言ではないでしょう。したがって、正しい指標のもとでの観光施策の立案や、それに伴う観光インフラ整備などの過大投資、さらには入り込み数値と景況感や実体経済との乖離など、住民や観光事業者に与える影響は非常に大きなものであります。

 そこで、私は、昨年より1年かけて、政務調査費を使わせていただき、政務調査の一環として、丹波篠山観光協会及び関西学院大学総合政策部角野研究室に「篠山市観光波及効果調査」を依頼いたしました。この調査については、残念ながらすべてを紹介する時間はありませんが、かなり興味深い結果が出ております。

 一部を紹介しますと、すべての基本となる入り込み数について、主催者発表型は集計方法にばらつきがあり、前年度までの公表値をもとにその増減を感覚的に評価し、推計した可能性があるとしていることや、最も信頼できるカウント方法である管理人推計型によるカウント分がわずか9.5万人分しかない等々、また動態調査の対象となっている施設には、篠山市民センター等々のように、その利用者のほとんどが篠山市民である施設も多く、篠山市に年間300万人もの観光客が訪れるという、その300万という数字は信憑性がかなり薄いと結論づけています。

 現状では、県内多くの市町が正確なデータ収集に費用をかけていない状況で、また、県自身も同様の状況となっています。国は、平成22年度より統一基準にて調査ができるようガイドラインの策定を進めておりますが、このガイドラインは、社団法人日本観光協会の全国観光統計基準を基本としているため、その基準がそのまま適用されますと、年間入り込み数が5万人以上の単体施設やイベントのみが対象となり、その場合、域内に対象となるものがない市町も出てくるのではないでしょうか。篠山市におきましても、この基準に照らしてみますと、入り込み数は210万3,000人、現発表の68%になります。

 国内の観光市場規模は23.5兆円、生産波及効果は52.9兆円、付加価値誘発効果は28.3兆円、雇用誘発効果は442万人と言われ、また、観光産業は世界最大の産業とも言われる中、観光振興の根本となる情報の質と量をどのように確保され、我が県での人口減少社会の地域戦略としての観光施策にどのように反映されようとしているのか、当局のご所見をお伺いします。】
 と。
 その結果、どうなったか・・・

 平成21年度までの、観光施設の利用者やイベントの来場者の合計に基づく観光入込客数の算出を改め、平成22年度分からは、「観光入込客統計に関する共通基準」に準じて算出する等、より精度があげられました。

 政務活動費(調査費)の使い方の一例です。

 観光関連でもう一つ。

 神戸新聞「奥さま様手帳」10月号。
 最初のページに「丹波篠山」とあります。
 記事内容から察するに、この場合の「丹波篠山」は丹波市と篠山市のこと。
 デカンショ節にある「丹波篠山」とは違うのです。デカンショ節の「丹波篠山」は篠山市を指します。

 今や「丹波篠山」は「萩・津和野」というように丹波市と篠山市をセットで表す言葉になりつつあります。

 地域連携はもちろん重要、その中でそれぞれが戦略を持ち競争しながら切磋琢磨することが地域全体の底上げにつながります。

 さて、「丹波篠山」を篠山市の観光戦略にどのように活かすのか。
 今一度、地域経営に関わる人には、長期的な視点をもってしっかりと考えていただきたいものです。

 


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