5月17日 大阪都構想と橋下工務店
皆さん、こんにちは。
本日、大阪市では「大阪都構想」への賛否を問う住民投票が行われました。
地方政治に身を置く者の1人として、大変興味深く見させていただきました。
結果は僅差で「否決」。
しかしこれだけ結果が真っ二つに分かれると、単純に「勝ち」と「負け」という訳にはいきません。
投票率が66.83%。これだけ関心が高まった「住民投票」。
賛成派も反対派も、今後の大阪のまちづくりへの関心は高まり、政治に対し厳しく『結果』を求められるでしょう。
私は、平成24年3月18日のこのブログに、TV CM をちょっとパロって、「仕事が早い。橋下工務店」という例え話を書きました。
再掲します。
「仕事が早い」 橋下工務店
【 昭和20年代後半から、先の大戦で焦土と化した土地に、本格的に家が建ち始めた。
その頃は銭湯が当たり前で、うち風呂も必要なかったが、経済成長とともに、うち風呂が主流になり、ちゃぶ台からテーブル、布団からベッドへと生活様式も変わり、押し寄せる家電類のため配線も増やさなければならず、子供も成長するにつけ、子供部屋を要求しだした。車も買ったのでガレージも必要になった。
景気も良かったし、収入も順調に増えていたので、その度毎に、リフォームや無理な増築が重ねられた。
さて、時も過ぎ、家人も年齢を重ね、足腰も弱ってきた。
子供も独立した。
ふと気がつくと、実に住みにくい家と化していた。
「住みにくくなったし、だいぶ痛んできた。もうそろそろ潰さなもたん」と、多くの人が考え始めたその時、
「兎に角、古い家は潰して建て替えましょう」 「下手にリフォームしても無駄な出費がかさむだけです」 「お客様の懐事情、今の生活にあった家を提案します。けっして無理なローンは組ませません」
と、大変わかりやすいセールスで売り出したのが、橋下社長率いる橋下工務店。
この若い社長、言うだけでなく、「仕事が早い」と注目を浴び、最近、会社は急成長した。
その勢いには、業界を独占していた大手住宅メーカー各社も、戦々恐々。
橋下工務店の地元地域では、独占的な再開発が急ピッチで進む様相。
更に、この勢いに乗じ、全国展開を狙って、新たに営業社員を募集したところ、応募が殺到した。
私も、この橋下工務店の営業方針には、共感するところも期待するところもあり、全否定はしません。
ただ思うのは、潰した更地に、どんな家を建ててくれるのかという点。
ある意味、潰し屋は必要。
しかし、潰しっぱなしでは、困ります。
更に、本部の指示だけを妄信した「急募」の営業社員が、全国の支店に散らばり、各地でマニュアル営業する様では、日本全国金太郎あめ住宅になってしまう不安もあります。
また、橋下工務店では、所謂、戦前からある郡部の古民家などはどの様に扱われるのかが気になるところ。
現存する古民家の多くも前出同様、家の中は“その度毎のリフォーム”が施され、随分住みにくくなってはいます。
しかし、その土地の気候風土に合った、また、長い風雪に耐えてきた古民家は、今ではなかなか手に入りにくくなった、立派な部材で構成され、それら家の“芯”は、まだまだ再利用が可能で、捨てるには忍びない。
古民家は、残すべき柱や梁、意匠を活かしてこそ、一つひとつの家が、独特の存在感を放つのだと思います。
そこに、家人は誇りを感じ、訪れるものは畏敬の念すら抱く。
橋下工務店は、そう言う意味では、まだプレハブメーカーの様な気がします。
急募で集まった営業社員が、このマニュアルにない部分をしっかりと見つめないで、自己の出世ばかりを考えていては、多くの顧客が、橋下工務店に失望することでしょう。
地方の再生は、古民家再生の概念と共通する部分が多いのではないでしょうか。】
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社長はやり手でかつよい腕を持っておられたのだろうと思いますが、「橋下工務店」全体としては“巧”集団にはなりきれなかったのではないでしょうか。
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