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活動報告ブログ - 2009年11月

2009年11月13日(金)

管外調査2

大仙市立神宮寺小学校~地域に学び、地域と共に歩む地域づくりの推進~

 大仙市は、平成17年大曲市と仙北郡(6町1村)が合併して誕生した新市ですが、神宮寺小学校は、明治7年創立の歴史ある小学校です。
 この学校では、主に『地域とのかかわり』について調査を行いました。
 少年野球発祥の地として知られる当地は、もともと地域と学校の関係が深い地域ではありますが、文部省委託『学校支援地域本部事業』に基づき、平成20~22年の3年間で学校ボランティア等による教育活動への参画のシステムづくりを進めておられます。

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【地域の先生募集チラシ】

 平成20年度は、延べ800名以上(うち4割が保護者以外の住民)が地域のスクールサポーターとして、
①学習支援
 読み聞かせ・夏休み期間等での寺子屋・野菜作り体験・ドリル学習の採点支援、等々
②情報支援
 学校HP更新・人材バンクデーター入力・校内掲示物作成・アンケート集計、等々
③環境整備・校舎営繕支援
 図書館運営・校内植栽・花壇整備・グラウンド整備・ビオトープ運営、等々
④学校行事支援
 運動会・交通安全教室・避難訓練・農園野菜収穫、等々
⑤スクールガード
 登下校時の声かけ・危険個所点検、等々
⑥部活動支援
の各分野で協力されました。
 特に『学習支援』においては、地域参画型学習に重点的に取り組まれております。私たちが訪ねた日も、公募により登録された“地域の先生”の授業が行われておりました。

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【地域の先生による授業】

 この取り組みにより、
「子ども達が、より多くの目から評価を受けることが出来る」「多様な人と触れ合うことで刺激を受け、学校のエネルギーも増す」「学校・先生方の必要性やニーズによって、地域の先生をコーディネイトするので、学校現場の負担軽減にもなる」等々の利点を伺うことができました。
 スクールサポーターの基本姿勢としては、『出来る人が、出来る時に、出来る事を、無理なく、楽しくやる』と言うものですから、課題としては「定型化した年間カリキュラムの作成」がしにくいということでした。
 何よりも根本は、学校と地域の信頼関係ですので“良い方向”に回転し始めれば、更に輪は大きく広がっていき、豊富な人材が集まれば課題も克服できるのではないでしょうか。

子どもは、親の鏡・家庭の鏡、小学校は、地域の鏡

 実は、私たちも、5年生の『兵庫県について』の授業に“にわか地域の先生”として、参加させていただきました。

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【私達は“にわか地域の先生”】

 後で担任の先生から、
「はじめて聞く関西弁に、いつもは元気な子ども達が、今日は委縮していました。しかし、生の関西弁を聞けただけで、子ども達は、大きな刺激を受けたと思います。」と。

 帰宅後、小学校の娘二人とお風呂に入っておりますと、姉妹で言い争いを始めました。その言葉づかいに「秋田の子が聞いたら、さぞ委縮するだろう」と思うばかりでした。

角館文化財群の保存と活用(仙北市教育委員会)

 角館と言えば、中学校の頃学校で見た映画『思えば遠くへ来たもんだ』を思い出します。 武田鉄也扮する九州生まれの高校教師が、角館の高校に赴任し、そこから始まる学園ものだったと記憶しています。
 背景に写し出される、重厚な武家屋敷群や川沿いのきれいな桜並木が印象に強く残っております。

 思えば、その撮影が行われた頃、角館は、長野県妻籠宿、岐阜白川村、京都産寧坂、祇園新橋、山口県萩市などとともに第1期『重要伝統的建造物群保存地区』選定されています。正確には昭和51年重伝建選定第1号として。(篠山城周辺が重伝建に選定されたのは平成16年)

 選定から30年余を経過し、経過した年月の分取り組むべき課題も多いと伺いました。
 課題としては、地区住民の高齢化、それに伴う空き家対策、住居の所有者移転、観光化に伴う土産物屋の看板・幟など屋外広告物の増加等があるようです。

 これら課題に対する取り組みとして、平成18.19年度で地区の保存計画が見直され、地区内の景観を阻害する広告物の撤去など外から見た「武家町らしさ」に比重がおかれました。
 平成19年6月には、煙草の火による火災や、ポイ捨てによる環境悪化を阻止するため『仙北市角館伝統的建造物群保存地区路上喫煙の禁止等に関する条例』が制定さております。
 また、所有者の高齢化により土地・家屋が売買され商業化し、武家町としての性格が損なわれるような事態を回避するため、保存のための土地建物を市で買い取るその財源として、平成20年3月には『仙北市角館伝統的建造物群保存基金』が設立されております。

 現存する6軒の武家屋敷、現在も2軒には居住者がおられ、全てが個人所有物。内4軒は仙北市が借り受け、固定資産税相当を市が負担する形で保存管理を行なわれています。

 教育委員会としては、『「商家群」と違い「武家町」という現在成り立たない生業の町並みを維持する難しさはありますが、住む人々の生活環境を守りながら、この町並みを後世に伝えるべく守っていきたい』とされ、財政厳しき中“町並み保全”に取り組まれております。

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【黒塀と大木が特徴の武家町】

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