- 2009年11月10日(火)
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- 「活動報告ブログ」
文教常任委員会管外調査・秋田、岩手方面
皆さん、こんにちは。
本日より2泊3日で、文教常任委員会管外調査に出ています。今回の調査目的は、全国学力テストにおいて、3年連続上位になった秋田県の基礎学力向上の取組みや、岩手県での文化財保存等についてです。
伊丹空港から、トラブルの多さで問題になっているボンバルディア機(プロペラ)に乗って、秋田県大館能代空港へ。若干不安はありましたが、車輪もちゃんと出て、無事着きました。
八峰町教育委員会『基礎学力向上の取組み』
秋田県は、全国学力テストにおいて、小中の国語・算数ABとも、ほとんどで3年連続上位という成績を上げています。その中でも、平成20年度の秋田県教委の公表結果で、八峰町は県内最上位の成績でした。
その理由について、八峰町の教育委員会 千葉良一教育長にいろいろとお伺いしました。千葉教育長さんは、もともとNTTのセールスマンという経歴をお持ちで、民間から町役場へ入られました。
教育現場でも随所に“民間の感覚”を導入され、教育長さんの名刺にもそれが見受けられます。
まず、基礎学力向上に大きく影響していると思われる、次のような八峰町の教育環境を挙げられました。
①全児童の2/3の世帯が3世代同居
②携帯電話を持っている児童がほとんどいない。(進学塾も無い)
③生活習慣の徹底を図り、朝食を毎日食べ、テレビを見る時間が少ない。
④学力テスト結果で、親と1日10分以上会話することと学力の相関性が顕著に表れている。
⑤15人の少数クラス チーム・ティーチングの採用( 学級の指導に1人の教員が当たるのではなく、複数の教員がチームをつくり、児童生徒の指導に当たる授業形態)
⑥ノートの取り方の工夫
⑦秋田市内の大学との提携
この他にも様々な試みや取組みをされていますが、学習の仕方を大手の塾に依頼するとか、ハード的な教育環境を整備するなど財政出動を必要とするような取組みはしていないということでした。
結局、根底には『規則正しい生活習慣』があり、それを維持できる環境を作るために、教育委員会・学校・地域・保護者が互いに連携し理解しあえるかが重要であるということです。
八峰町は、平成18年八森町と峰浜村が合併して誕生した町です。小学校は当初6校在ったようですが、本年4月に3校に統廃合されました。
この統廃合について「当該校区の町民の反応はどうでしたか?」という私の質問に、
教育長は「地域の反対はあったが、PTAは統合を望まれました。私は、一定の数の中でのびのび育てる環境が子ども達には良く、学力向上にもつながると思っております。反発の矛先は私が一人で受けます。必要ならば今後も統廃合を粛々と進めます。」と、仰いました。
今回の八峰町は『基礎学力日本一』という事で、昨年末の公表以降132件の視察申し込みがあったということです。しかし、教育長は、その対応に膨大な時間が費やされることから、原則『すべて断る』という方針を出されました。
そんな中、県関係1箇所・市町関係1箇所・国内メディア2箇所・海外メディア1箇所の計5箇所の視察受け入れを決められ、わが文教常任委員会は、幸運にも県関係1箇所枠に入れていただけました。
千葉教育長の懇切丁寧な答弁は、一言一言、説得力があり大変重いものでした。
千葉教育長さんの名刺の表には、
『私は、あなたからの相談をお待ちしております。嬉しいときは、いりません。悲しいとき、悔しいとき、悩んでいないで連絡を!(24時間OK!)』とあります。
裏には、自宅や携帯の電話番号、メールアドレスが載せてあります。
秋田県は、自殺者の割合が高い県でもあります。八峰町でも同様という事です。