- 2010年09月22日(水)
自民党県会議員団重要政策提言27項目
総 務 部 会
1 新行革プランの徹底した検証と見直し
一昨年後半からの急激かつ世界的な景気後退は、昨年春頃には歯止めがかかり、その後は回復基調を辿っている。このような世界経済の展開を背景に、わが国の経済も、現在回復傾向を辿っているものの、失業率は未だ高水準にあり、企業の業績悪化に伴う法人2税の大幅減をはじめ、国の税収が伸び悩んでいる状況に変わりはない。
県では、「新行財政構造改革推進方策(新行革プラン)」の策定から3年目を迎え、その総点検に取り組んでいるところであるが、県民にも負担を強いている行革をやり遂げ、一刻も早く財政の健全化を果たすためには、これまでの検証結果を継承しつつ、経済雇用情勢や国の政策動向、分権改革の進展、さらには地方財政を取り巻く社会情勢の変化を的確に捉え、本県財政の収支均衡の早期達成に向け、より一層、取組を充実していく必要がある。
わが会派においては、新行革プラン総点検の状況を確認し適切な提言を行うため、昨年度に引き続き、「行財政構造改革調査検討委員会」を立ち上げ、財政フレーム、事務事業、外郭団体、組織、定員等すべての項目について検討を続けているところであり、わが会派とも十分協議し、新行革プランについて徹底した検証と今後の具体的な見直しを進めること。
また、地方交付税の復元・充実及び地方一般財源総額の確保は喫緊の課題であり、全国知事会等を通じて国への働きかけをさらに強めること。加えて、自主財源の確保に向け、税収確保に重点的に取り組むとともに、課税自主権の活用等についても積極的に検討を進めること。
さらに、再編後の県民局や教育事務所をはじめとする地方機関のあり方については、わが会派での議論や各地域の実状も十分に考慮して検討すること。
厳しい財政状況にあっても、少子高齢社会や人口減少社会の到来を見据え、県民から求められる新しい時代に対応した県政を推進する必要がある。このため、引き続き経費支出の効率化に努めるとともに、限られた財源を重点配分し、必要な施策の充実に取り組むこと。
2 地方分権の推進
去る6月22日、政府は「地域主権戦略大綱」を閣議決定し、今後の概ね2~3年を見据えた改革の諸課題に関する取組方針を明らかにした。しかし、同大綱に盛り込まれた義務付け・枠付けの見直しや基礎自治体への権限移譲は、地方分権改革推進委員会による勧告の完全実施とは程遠い内容であるなど、真の地方分権の実現には、未だ数多くの課題を残している。
また、政府が成立を目指す、いわゆる「地域主権関連3法案」についても、現在、衆議院において継続審議とされており、今後の国会運営等によっては、その成立時期が見えない状況にある。
そこで、地方分権改革をより一層推進し、真の地方分権を実現する観点から、地方税財源の充実強化や偏在是正のほか、国と地方の本来あるべき役割分担や地方自治制度のあり方の検討などについて、全国知事会等を通じ国への働きかけを強めるなど、第二期地方分権改革の推進に向け、さらに取り組みを進めること。
設立準備の進む「関西広域連合(仮称)」については、地方の自主性を発揮できる新たなモデルとしての可能性を秘めているものの、設立後のあり方についての認識が関係府県の間で統一されていないなど、危うい要素も含んでいることから、目指すべき広域連合のあり方をはじめとする諸課題について、関係府県議会の意向も踏まえ十分に調整しながら進めること。
また、県と市町の役割分担をより明確にし、市町の行政運営体制の整備の進展を踏まえ、本来市町が担うべき権限・事務の積極的な移譲を図ること。
3 地域の活力の増進
少子高齢化や過疎化の進展に伴い、都市・農村間における人口偏在が進行することにより、郡部を中心に地域の持つ活力が低下し、地域間格差が生じている。また、個々の地域においても、老人会や婦人会を始めとする地域を支える地縁団体が弱体化しているなど、地域内の元気が失われつつある。
成熟社会を迎え人々の価値観が多様化する今日、従来のような全国一律のルールや基準に基づく施策展開が、既に限界に達していることは明らかである。今後も、わが国全体として持続的な発展を図るためには、各地域が、その魅力、地域資源に磨きをかけ、自らの考えと責任により自立した地域経営を行っていけるような取組が不可欠である。
そのため、「小規模集落元気作戦」や「ふるさと自立計画推進モデル事業」等を柱とする「地域再生大作戦」を積極的に展開・活用し、各地域の個性や地域資源を活かした地域の活性化、ふるさとのにぎわいづくりをより一層推進すること。
また、各県民局が取り組んでいる「地域づくり活動応援事業」のさらなる充実を図り、積極的に地域づくり活動を展開している地縁団体等への支援を拡充すること。
なお、こうした地域の再生、活性化の取組を展開するにあたっては、すべての地域に県が直接支援を行うことは困難であることから、現場の実状をより把握している市町と十分に調整、連携を行い、県と市町とが適切な役割分担の下で、各地域の実状に応じた取組を進めるよう留意すること。
4 危機管理対策の強化
近年、台風やゲリラ豪雨による風水害などの自然災害が多発している。また、東南海・南海地震は近い将来の発生が確実といわれている。自然災害による被害の最小化に向け、水害・土砂災害対策等災害に強い基盤整備を一層促進するとともに、県耐震改修促進計画に基づく建築物耐震化の促進により、建築物の安全対策を推進するほか、地域防災計画の推進と見直し、危機管理体制の充実・強化、住民によりわかりやすい緊急避難情報をはじめとする災害情報の提供、防災拠点の整備、活用を推進すること。
加えて、消防団の消防体制の充実、自主防災組織の育成支援等の地域防災力の向上など、市町とも連携した取組を進めること。特に、昨年8月に発生した台風第9号による豪雨災害の被災地の早期復興に引き続き取り組むとともに、その教訓を踏まえ、災害時に孤立する可能性のある集落についての防災対策の強化に努めること。
また、昨年5月以降の新型インフルエンザへの対応についての検証委員会の報告を踏まえ、今後懸念される再流行の可能性や強毒型インフルエンザの発生に備えるとともに、引き続き必要な対策に取り組むこと。
なお、従来から発生が懸念されている鳥インフルエンザをはじめとする新たな感染症が流行するおそれも高まっているほか、北朝鮮による核実験や弾道ミサイルの発射、工作船の潜入など日本海沿岸地域の安全保障は脅かされている。こうした各種の有事に備え、県の危機管理対策の、さらなる強化を図ること。
( 4項目 )
健康福祉部会
1 子どもを安心して生み育てられる環境づくり
「新ひょうご子ども未来プラン」に基づき、少子対策本部において、事業の選択と集中、特に、子育て支援策の充実や子育てと仕事のバランスがとれる環境整備等、全庁を挙げた総合的な対策を講じるとともに、各県民局においても地域の特性に応じた施策を展開するなど、子どもを安心して生み育てられる環境づくりにより一層取り組むこと。
また、結婚・子育て・家族の大切さを確認する若者に対する意識啓発のほか、家族のきずなや地域のつながりを取り戻す施策を展開するなど、中長期的な観点からの取組を進めるとともに、親が子育てを通じて子どもと共に成長するよう親の子育て力向上を積極的に支援すること。
2 子どもの健全な育成策の強化
近年、核家族化や女性の社会進出、地域のつながりの希薄化に伴って、家庭や地域での子育て力が一段と低下している。
そこで、子育てに対する親の自覚と能力を高めるため、親に対する育児指導の徹底、保健所や保育所等での相談・指導の充実、相談窓口のネットワーク化などについて積極的に取り組むこと。
また、子育て支援NPOと保育所との連携強化、地域の保育力の向上に努めるとともに、ひょうご放課後プラン事業による子どもの安全で健やかな居場所づくりの推進に努めること。
加えて、働く親の負担の軽減を図るため、安心こども基金を有効に活用しながら、「認定こども園」の円滑かつ適正な実施、保育時間の延長等の保育サービスの充実や病児・病後児保育の推進など、安心して子どもを預けられる条件整備に引き続き取り組むこと。
一方、近年痛ましい事件が多発し、社会問題となっている児童虐待については、市町が一義的な窓口ではあるものの、それを支援する県の取組が不可欠であることから、こども家庭センター等の機能・体制の強化を図るとともに、市町、警察、学校、医療機関、保健所、児童福祉施設など関係機関と連携し、統計データに基づく課題の分析等により、事件を未然に防ぐ取組を進めること。
3 障害者の自立に向けた支援の推進
障害者自立支援法の施行を踏まえ、障害程度区分認定事務等を実施する市町の体制づくりを支援し、事業者の指定や適正指導、障害福祉計画の着実な実施などを通じて、サービス基盤の整備を進めるとともに、制度の周知徹底を図ること。
また、利用者の急激な負担増に対する軽減策等を引き続き実施し、現在の負担水準を当面維持すること。
さらに、報酬の日額化により経営状況が悪化している事業者の経営基盤の強化の取組を支援するとともに、国において検討されている障害者自立支援法廃止後の制度改革においては、地方の意見も反映し、負担水準の引き下げにつながる応能負担の導入等、障害者の安心につながるものとなるよう積極的に国へ働きかけること。
このほか、意欲のある障害者が能力・適性に応じて働くことができるよう、雇用施策との連携により、障害者雇用を促進するとともに、発達障害児支援体制の整備を図ること。
4 地域医療体制の整備と予防医療の推進
へき地をはじめとして、地域の拠点病院や診療所等において地域医療に従事する医師が不足している。とりわけ小児科・産婦人科・麻酔科等の特定診療科における医師不足は依然深刻な状況にあり、地域における医療の格差が生じないよう、必要な対策を講じていく必要がある。
そのため、大学医学部と連携したへき地勤務医師の養成・確保、研修医の県職員としての採用、兵庫県医師会が行うドクターバンク事業や女性医師確保のための環境整備、各種研修制度の充実への支援など、的確な医師確保対策を着実に推進するとともに、小児救急医療については、夜間休日診療の充実、小児救急医療電話相談(#8000)の拡充などの体制整備を進めること。
また、実際に出産できる病院・診療所がない空白地帯の解消、未就業の助産師の活用や院内助産所の整備など、安心して子どもを生み育てるための基盤整備を進めるほか、看護に対する社会ニーズに対応できるよう、看護師の質、量両面での確保対策や離職防止のための対策を推進すること。
さらに、これら地域医療体制の整備を進める一方で、限られた医療資源の有効活用と医療費の抑制を図るため、8020運動や健康マイプラン200万人運動の推進など、健康ひょうご21大作戦をより一層具体的に展開するほか、歯・口腔やこころの健康など健康づくり全般に係る条例の検討にあたっては、県民、行政、関係団体等の責務と役割を明確にし、社会全体で健康づくりを促進する仕組みを構築するとともに、病気を未然に防ぐ予防医療の取組について、さらなる県民の意識向上に努めること。
5 県立病院の構造改革
高度専門・特殊医療を中心とした政策医療を効果的かつ効率的に提供するとともに、地域の中核病院として地域医療の確保に取り組むという県立病院の役割を踏まえつつ、県民がより良質な医療を安心して受けることができる病院づくりをめざし、「病院構造改革推進方策(改訂版)」及び「県立病院改革プラン」に基づき、病院事業全般にかかる構造改革の取組を着実に推進すること。
特に、県立病院の経営の根幹に関わる運営形態については、他の自治体病院における事例等も参考としながら、独立行政法人化、民営化、経営統合、市町への移譲など様々な方面からの検討を継続して行うこと。
また、構造改革の取組の推進状況については、毎年度、点検を行い、「病院構造改革委員会」の意見を踏まえて評価を行うこととされているが、その点検・評価結果については、県民及び議会に対して、積極的に情報を開示すること。
なお、これらの構造改革の取組を進める一方で、その必要性を十分に勘案し、県民の信頼に応える良質な医療を継続的に提供していくために真に必要だと判断される場合には、適切な繰入金のもと、研究機材の更新も含め研究費の予算化を図り、適正な人材の確保に努めるとともに、老朽化した病院の建替改修や、高額医療機器の整備など、施設・設備の計画的な整備を進めること。
( 5項目 )
産業業労働部会
1 社会経済情勢の変化に的確に対応した対策の推進
本県の経済は、長期的な世界不況から、海外輸出型大企業においてはようやく持ち直してきているものの、中小企業においては、国内の空洞化もあって、いわゆる景気の底は脱したものの、依然として非常に厳しい状況が続いている。
また、雇用情勢は、長引く景気低迷の中、有効求人倍率は低調に推移し、完全失業率も高い状況が続くなど、厳しさが依然として続いている。
そこで、こうした本県経済が置かれた厳しい現況を把握し、経済・雇用対策を引き続き適時・的確に実行するとともに、グローバル化の進展や人口減少社会の到来、成熟型経済への転換など、今日の社会経済情勢の様々な変化に的確に対応しながら、本県経済の持続的な成長と多様で安定した雇用就業の実現を図るため、新たに策定される「ひょうご経済・雇用活性化プログラム」に基づいた実効性ある施策を、「選択と集中」のもと、戦略的に実施すること。
とりわけ本県の地域経済に大きな役割を果たしている地域産業や商店街、観光関連産業などの中小企業の経営環境は、国内空洞化や消費の低迷等により、非常に厳しいものとなっている。そのため、経営革新や事業の転換、新分野への進出、さらには人材育成等中小企業の課題に応じた適切な対応を図るとともに、新規創業に対する支援を強化すること。また、引き続き制度融資枠の確保を図るとともに設備の高度化等に取り組むこと。併せてこれら制度の活用に向けたPRについてさらに積極的に取り組むこと。
2 成長産業の育成と企業誘致による産業集積の形成
世界規模での地域間競争が激化するなど、企業誘致は厳しい状況にあるが、SPrinng-8やX線自由電子レーザー、次世代スーパーコンピュータなどの世界的な研究基盤や豊かな地域資源を有する本県の特性を最大限に活かし、地元の市町、産業界とも十分に連携をとりながら、拠点地区への産業集積を促進すること。
産業集積の促進にあたっては、産業集積条例とともに、県下の産・学・官を有効に活用して優れた国内外企業を戦略的に誘致するとともに、地元の正規雇用の促進にも留意しながら、例えばポートアイランドにおける医療産業都市構想のように特色を生かしたクラスター形成を図ること。
また、企業や研究機関の誘致後における地域への経済・雇用効果のフォローアップを実施すること。
3 観光の振興
人口減少社会を迎える中、地域の活力を高めていくためには、観光ツーリズムの振興を通じて、交流人口の拡大を図っていくことが必要である。
このため、神戸の夜景、世界遺産である姫路城、明石海峡大橋、ジオパークネットワーク加盟を目指している山陰海岸、有馬・城崎温泉など県内に有する世界的、またわが国屈指の誇るべき地域資源を活かした魅力ある地域づくりを進めること。また、県内市町や近隣府県、関係機関との連携のもと、中国・韓国など東アジアも含め、本県の多彩な魅力を広く発信し、本年度取り組む「あいたい兵庫キャンペーン」の継続を図るなどさらなる観光客の誘致を図ること。
( 3項目 )
農政政環境部会
1 自給率の向上等に向けた農業施策の推進について
現在、「新行財政構造改革推進方策」に基づき改革が進められているが、依然として低い水準にある食料自給率を向上させるため、農地等の基盤整備費については、一律にカットすることなく、「選択と集中」によりコスト縮減に努めるとともに、必要な財源は国へ強く要望して事業費は確保し、地域の実情に沿った整備を行うこと。
その上で、安定して食料生産を行うため、再生産可能な農業経営支援体制の構築、担い手の確保・育成、シカ等有害鳥獣による農作物被害対策を進めるほか、消費者の需要を的確に把握した生産の拡大、高付加価値化、生産以降の取組への進出等による農業所得の増大に向けた「儲かる農業」を実現する各般の施策を戦略的に展開すること。
また、畜産においては、口蹄疫等伝染力の高い病気の侵入防止と万一発生した際の初動防疫対策、被害農家の経営再建等に万全を期すること。
2 つくり育てる漁業の推進について
世界的な規模で水産資源の更なる減少が懸念されることから、漁獲情報の的確な把握や漁場整備を行うとともに、重要魚種の種苗生産や地域特性に合った新たな栽培魚種の量産技術の開発等、栽培漁業の推進を図ることにより、消費者のニーズに対応した水産物の供給を安定的に行うこと。
3 森林の保全・県産木材の利用促進について
「新ひょうごの森づくり」を推進し、森林の安全で快適な環境の確保に努めるとともに、「県民緑税」を延長し、効果的な事業の継続発展により、「災害に強い森づくり」を一層進めること。
また、針葉樹林については、新たに稼働する「県産木材供給センター」等と協調しながら、伐採・植栽・保育の林業生産サイクルの円滑な循環を図るため、学校等の公共施設をはじめとした様々な建物等への県産木材の利用促進を図ること。
4 都市における農業の振興について
阪神間をはじめ、市街化区域における農地は減少を続け、次世代に都市及び都市近郊の農業・農地を継承していくことが極めて困難な状況となっている。
都市及び都市近郊の農地は、人口集中地域への安全な野菜等の供給拠点であると同時に、ヒートアイランドなど地球温暖化対策や災害時の緊急避難場所の面からも重要な機能をあわせ持っている。
これらを十分に踏まえ、都市地域における農業振興、農地保全について、「ひょうご農林水産ビジョン」に明確に位置づけるとともに、都市部固有の課題に的確に対応する施策展開及び制度改善に向けた取組を積極的に進めること。
5 環境適合型社会づくりについて
環境を保全し創造する環境適合型社会の実現が、いま強く求められている。
「第3次兵庫県環境基本計画」に基づき、化石燃料からグリーンエネルギーへの転換を図るために、太陽光や風力、あるいはバイオマスの活用等エネルギーの地産地消を進めるとともに、省エネ家電や省エネ行動等を普及促進し、エコドライブやアイドリングストップ運動、ディーゼル自動車の運行規制等を推進するほか、県民や事業者の取組に対する支援策を強化するなど、世界的な課題となっている地球温暖化防止対策に取り組み、低炭素社会の実現を図ること。
このほか、廃棄物の適正処理については、広域的なリサイクル拠点の整備を進めるほか、「産業廃棄物等の不適正な処理の防止に関する条例」に基づき、不法投棄者に対する取り締まりを強化するとともに、条例に基づいた行政命令の執行に努めること。これと並行して、警察においては、行政と連携し、迅速かつ的確な取締まりに努めること。
さらには、廃棄物の発生抑制や環境配慮型製品の購入の拡大など、環境適合型社会の実現に向けての啓発に積極的に取り組むとともに、学習拠点の整備など、環境学習・教育の充実を図ること。
6 食の安全・安心の確保と食育の推進について
「食の安全安心と食育に関する条例」、「食の安全安心推進計画」を踏まえ、食の安全・安心対策を総合的に推進すること。
特に食品衛生法に基づく「ポジティブリスト制度」に、農業生産現場として適正な対応ができるよう指導するとともに、県内で製造、加工、販売される食品についての衛生検査や各種の食品表示について、事業者に対する指導・監督を強化するほか、「兵庫県農業検査協議会」における検査システムの充実に努めること。
また、「食」についての体験、理解は、子供の心身の発育、発達に大きく寄与し、人間性の形成や将来の生活習慣病の予防など、広範囲にわたる効果が期待されることから、庁内関係部局が連携し、食育を教育の重要な柱の一つと位置づけ、食育の副読本を作成するなどにより積極的に推進すること。
( 6項目 )
建 設 部 会
1 社会基盤整備の推進について
現在、「新行財政構造改革推進方策」に基づき改革が進められているが、県民の生活を豊かにする“ふるさとづくり”をめざした社会基盤整備については、一律にカットすることなく、「選択と集中」により、コスト縮減に努めるとともに、必要な財源については国へ強く要望を行い、事業費は確保し、地域の実情に沿った整備を行うこと。
また、自然環境の再生に果たす森・川・海の役割が極めて大きいということに鑑み、自然環境に配慮した工法の採用等、特に配慮を行うこと。
活力ある県土の発展を図るためには、特に地域間格差が生じている道路、河川、下水道等の早期整備が必要である。人や物の交流を促進し、自立できる地域づくりに欠かせない道路については、高速道六基幹軸の早期整備、とりわけ鳥取豊岡宮津自動車道や北近畿豊岡自動車道、新名神高速道路の早期完成のほか、大阪湾岸道路西伸部等の工事着手、播磨臨海地域道路の事業化に向けた取組を早期に行うこと。
神戸空港を含む関西三空港については、適切な役割分担のもと、県内各地からの空港アクセスの充実を図るとともに、基幹空港としての伊丹空港の機能維持を踏まえた上で、コウノトリ但馬空港を含め空のネットワークを広げること。
さらに、社会基盤の補修費用の最適化や適正な管理を目的として導入したアセットマネジメントについては、対象施設の拡大、技術の向上など、さらなる充実を図ること。
2 県内建設業者の健全育成について
国・地方の公共事業関係予算が削減される中、県内建設業者の倒産件数は依然として高水準で推移しており、県内の建設業を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いている。
健全な県内業者を育成するためには、まず第一に、安定して仕事が確保できるよう、受注の機会を確保する必要がある。特に、冬季などにより仕事の確保が制約される農山村部の業者は公共事業への依存度が高いことや、参画と協働の取組など県施策への業者の貢献度等も加味し、分離・分割発注、発注・完成時期の平準化等による受注機会の拡大をより一層推進すること。
また、引き続き公共事業の品質・安全を確保し、県内の中小建設業者の倒産や赤字増大を防ぐため、適正な価格による受注に配慮し、適正な最低入札価格の設定と同時に、小規模工事における最低制限価格の改善などさらなる対策を行うことにより、不当に低い価格での受注の防止対策に努めるとともに、発注した工事の工程管理(納期)を徹底し、工事の質を十分チェックすることで、不良不適格業者の排除を行うこと。
さらに、県内業者の競争力向上を図るため、技術面で差別化を図ろうとする業者や資材の共同調達等により経営効率化を図ろうとする業者等に対する支援を積極的に行うこと。
とりわけ、得意分野の異なる企業の相互補完的な連携や他分野への進出等、建設業の再編につながる取組に対しては、融資制度等による財政支援を行うこと。
(2項目 )
文 教 部 会
1 ひょうご教育創造プランの着実な推進・周知徹底
わが国の教育は、これまでの教育基本法のもと、国民の教育水準を大いに向上させ、社会、経済の発展を支えてきた。
しかしながら、近年の少子高齢化、高度情報化、グローバル化など、社会情勢や家族のあり方など、教育をめぐる状況の変化により様々な課題が生じてきたことから、平成18年12月に教育基本法が約60年ぶりに改正されたところである。
昨年6月に策定した「ひょうご教育創造プラン」は、改正教育基本法の理念を具体化したものであり、次代を担う人づくりを進めるためには、プランに沿った教育施策を着実に推進し、具体的に教育現場に浸透させるよう、プランの県民・教育関係者への周知徹底等適切なフォローアップに努めるとともに、これらの役割を担う教育事務所の権能を充実強化すること。
また、教育現場での混乱を避け、本県教育の振興を図るため、現行法制度上、国の計画を参酌するとの規定となっている市町計画について、県計画を踏まえた市町の計画策定を図るよう取り組むこと。
2 学力向上対策の推進
近年、社会的に大きな関心を集めている「学力低下問題」については、全国学力・学習状況調査の結果を活用し、35人学級編制などの「新学習システム」、「兵庫型教科担任制」の活用や学習習慣の確立に向けた「学びの充実促進事業」など学習環境の一層の充実が図られているところである。
しかしながら、現在、小学校で行われている評価が、絶対評価が中心となっていることには、大きな危惧を覚えざるを得ない。
そこで、向上させるべき「学力」とは何かを考えるにあたり、評価の方法を再検証し、あるべき評価の方法をもう一度考え、学力向上対策の目標を明確にした上で、総合的な学力向上対策を推進すること。
また、目的に応じて文章を的確に読む力や自分の考えをまとめ、伝える力など国語力を向上させる取組や、理科・数学に対する探求心などを一層高める取組を行うこと。
さらに、ますますグローバル化する社会において、国際社会で活躍できる人材をより多く輩出できるよう、より実践的な英語教育を実施すること。
3 道徳教育の推進
道徳教育は、人が人として生きるための根幹であり、「命の大切さ」を認識させる上で極めて重要な教育分野であり、とりわけ学校における役割と責任が重要となっている。
凶悪化する少年犯罪等の背景には、家族を基盤とすべき規範意識や規律の低下に加え、己の欲求のままに行動することを抑える「自制心」、あるいは、必要な場合には我慢ができる「忍耐力」の欠如があると考える。これらを養うためには、学校における体系的な道徳教育の実施に加え、子ども達が学んだことを実践できるようにすることが何よりも大切であり、学校だけでなく、家庭、地域も一体となって取り組んでいくことが不可欠である。
ひょうご教育創造プランに、規範意識をはじめとした道徳性を身につけさせるとともに、伝統と文化、歴史に関する教育の推進等が重点目標として明記されており、これらの目標を具現化するよう、現在作成中の道徳教育副読本を十分に活用し、個人の行動指針ともいえる道徳教育を全ての児童にあまねく浸透させるよう、更なる推進を図ること。
また、法の下の平等を唱える憲法の精神を踏まえ、「男らしさ」「女らしさ」を正しく認識するという実質的平等の観点に立った、真の男女共同参画社会の構築に向けた指導の徹底も行うこと。
4 特別支援学校における就労支援の充実
改正教育基本法の施行、学校教育法の改正による特別支援教育の対象範囲の拡大等、特別支援教育を取り巻く状況は大きく変化してきたことにともない、生徒・児童数は増加し、障害も重度・重複化、多様化してきている。
このため、県教育委員会では、平成19年に策定された「兵庫特別支援教育推進計画」に基づき、①県立特別支援学校の整備推進、②LD、ADHD、高機能自閉症等への対応、③指導体制の充実など、特別支援教育の充実が図られているところである。
しかしながら、特別支援教育は、社会の一員として可能な限り主体的に生活を営むことができる力を学校教育全体の中で育成することをめざすものであり、卒業後の自立した社会生活に向けた後期中等教育の充実が、いわゆる“出口対策”としての就労に繋がるものでなければならない。
そこで、特に障害のある生徒にとって、障害のない生徒との相互理解や、集団の中での学習が、社会的自立への滑走路となることから、県立高校の中に、特別支援学校高等部の分教室を設置することなど、後期中等教育のより一層の充実を図るとともに、特別支援学校高等部卒業後の就労に繋がるよう、就労支援の充実強化を図ること。
( 4項目 )
警 察 部 会
1 地域と一体となった警察活動の展開
犯罪を未然に防止し、安全で安心な地域社会をつくるためには、地域の交通安全協会、防犯協会等を核とし、警察・行政・団体・企業・学校・住民が一体となった活動が必要である。
そこで、増加、深刻化する凶悪犯罪や青少年の犯罪等を抑止するため、地域の防犯力を高めるような、自主防犯組織とのネットワーク構築を進め、地域や学校と一体となった警察活動を重点的に展開すること。
また「暴力団排除条例(仮称)」の施行を実効あるものとするため、地域、行政及び関係機関等と連携を密にした暴力団壊滅に向けた取組を積極的に推進すること。
2 青少年犯罪対策の強化及び青少年の健全育成
低年齢化、悪質化が進む青少年犯罪に対応するため、情報収集等に努めるとともに、学校や地域と連携を図り、早期かつ的確な対応による非行の未然防止に努めること。
また、ひったくり等の街頭犯罪を敢行する非行少年グループの補導活動を強化すること。
さらに、最近、出会い系サイト等による児童買春・児童ポルノ事犯など青少年が犯罪被害にあう事件や学校裏サイトへの誹謗中傷の書き込みによるいじめ等、インターネット上の有害情報による青少年への悪影響が深刻な社会問題となっていることから、有害環境の実態把握に努め、インターネット利用に伴う危険性やモラルの周知について積極的に啓発活動を行うとともに、取り締まりを更に強化すること。
3 警察官の資質向上
県民に不安を与える強盗やひったくり等の犯罪は依然として多発しており、迅速かつ的確な初動対応を行うことにより、検挙率を高める必要がある。
県警においても、大量退職時代を迎えることにより、急激な世代交代が進行していることから、後継者に伝承すべき専門的知識、技能及び指導力等を有する警察官を積極的に活用し、卓越した専門的知識・技能の確実な伝承に努めるとともに、優秀な人材の確保と定着に向けた採用及び研修方法の見直しを図ること。
併せて、一人ひとりが“県民から信頼される警察官”になるべく、引き続き地域住民の意見を積極的に警察行政に反映させるとともに、県民の立場に立って考える姿勢や時代の変化に即応できる能力を養成するなど、社会的倫理や道徳観を身につけた資質の高い警察官を育成すること。
さらに、公正な点数評価と総合的な評価を採り入れ、現場の警察官が誇りと確固たる信念を持って職務に専念できるよう、警察組織の意識改革に取り組むこと。
( 3項目 )
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